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大阪高等裁判所 平成8年(行コ)44号 判決

控訴人(原告) 望淡土地株式会社

被控訴人(被告) 兵庫県西神戸財務事務所長

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一申立て

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が控訴人に対し、原判決別表二1、3、5記載の各土地の取得について、平成五年二月一〇日付け(三件)、平成六年九月一二日付け、平成七年一月一〇日付けでした不動産取得税賦課処分をそれぞれ取り消す。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

第二主張

次のとおり控訴人の主張を付加するほか、原判決の「第二 事案の概要」に摘示のとおりであるから、これを引用する(ただし、原判決七枚目表九行目の「譲渡」の前に、「控訴人が」を加える。)。

(控訴人の主張)

地方税法が、代替地補償を伴う強制収用の場合に不動産取得税を課さず、任意収用の場合に取得不動産の価格との差額に課税するとしている趣旨は、任意収用の場合は等価交換ではないからである。したがって、右法の趣旨からすれば、任意収用の場合でも、等価交換の場合には不動産取得税は賦課されないと解釈すべきであり、等価か否かの判断は当該不動産の時価によるべきであって固定資産評価額によるべきではないところ、本件処分の原因となった交換契約は等価によるものであるから、本件処分は違法である。

第三証拠〈省略〉

第四判断

当裁判所も、被控訴人の本件各不動産取得税賦課処分はいずれも適法であると認定判断するものであるが、その理由は次のとおり付加、訂正するほか、原判決の「第三 争点に対する裁判所の判断」に説示のとおりであるから、これを引用する。

(原判決に対する付加、訂正)

一  原判決九枚目表六行目の「二三」の次に「、乙八一ないし八六」を加える。

二1(一) 同一二枚目表初行から二枚目にかけての「三五四」を「三五三」と改め、同裏初行の「固定資産評価基準」の次に「(昭和三八年自治省告示第一五八号)」を、同行の「雑種地について」の次に「の評価は」を、同三行目の「よって」の次に「その」をそれぞれ加え、同八行目の「九月八日」を「九月一〇日」と、同一〇行目の「六万五〇〇〇円」を「六万七五〇〇点」と、同一三枚目表五行目の「価格が据え置かれる」を「右価格が据え置かれた」とそれぞれ改め、同六行目の「土地」の前に「右各」を加える。

(二) 同一三枚目表八行目の「六七番」を「六八番」と、同末行の「神戸市都市開発公団」を「神戸市都市開発公社」とそれぞれ改め、同裏一〇行目の「宅地について」の次に「売買実例価額から評定する」を加え、同一四枚目表三行目の「九月八日」を「八月七日」と改め、同裏初行の「土地」の前に「右」を加え、同六行目の「昭和六〇年一月二五日」を「昭和五八年三月三一日」と改め、同一六枚目表四行目及び同裏末行の各「側方路線加算」の次に「を」をそれぞれ加え、同八行目の「三万五〇〇〇点」を「三万五五〇〇点」と、同一七枚目表二行目の「逓減率を」を「逓減率」と、同裏初行の「側方影響」を「側方路線影響」と、同末行から同一八枚目表初行にかけての「裏路線価に三万〇〇〇〇点」を「裏路線価三万五〇〇〇点」と、同末行の「側方影響」を「側方路線影響」と、同一九枚目表初行の「この土地」を「これらの土地」とそれぞれ改め、同裏一〇行目の「当たり」の次に「の」を加え、同末行の「一平方メートル当たり」を削り、同二〇枚目表初行の「二四五〇点」を「一〇五〇点」と改め、同行の「一平方」の前に「これらの土地の」を加え、同二行目の「三万六五〇〇点」を「三万六〇五〇点」と、同九行目の「垂水区及び西区区長が算定した」を「西区長が算定した右各土地の」とそれぞれ改める。

2 同二一枚目裏三行目の「乙」の次に「一、」を、同行の「一六」の次に「ないし二九、弁論の全趣旨」をそれぞれ加え、同二二枚目表初行の「被告は、」の次に「控訴人が」を加え、同裏一〇行目の「目的から」を「対象地として」と改め、同二四枚目裏末行の「返還」を「変換」と改め、同二五枚目表九行目の「原告が」の次に「平成四年度に」を加え、同裏八行目の「二五七四万九〇〇〇」を「二七五四万九〇〇〇」と改める。

三  同二六枚目表五行目の「二億四六〇六万六〇〇〇円」を「二億六四六〇万六〇〇〇円」と、同裏三行目の「同番三五九」を「同番三五四」とそれぞれ改め、同裏七行目の「七四」の次に「、弁論の全趣旨」を加える。

四  同二七枚目表九行目の「乙一」の次に「一六、三〇」を、同二八枚目裏初行の「八〇」の次に「、弁論の全趣旨」をそれぞれ加える。

五  同二九枚目表三行目の「乙一」の次に「一五、三一」を加え、同裏四行目の「二億七一七一万二〇〇〇円」を「二億七一八一万二〇〇〇円」と改める。

六  同三二枚目の別表二の番号12の評点数欄の「34,950」を「34,650」と、同三三枚目の番号41の補正後評点数欄の「38,050」を「38,500」と、同三四枚目の法七三条の一四第八条に規定する控除額欄の「91993,71m2」を「91393,71m2」と、同三五枚目の別表二の6の地番欄記載の「91」を「92」と改める。

(控訴人の主張について)

控訴人主張のような解釈は、原判決の第三の一の2及び二の1にそれぞれ説示のとおり地方税法七三条の六第二項及び七三条の一四第八項の各規定に明らかに反するものであり、到底採用できない。

(結び)

以上によれば、控訴人の本訴請求を理由がないものとして棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 西川賢二 武田多喜子 最上侃二)

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